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NPOメディア|世界のがんばるNPOを訪ねて #05

「学校に行く」の先、「学べている」へ。
プラタム(Pratham)

2026年7月8日|日本NPOサクセス 編集部

学校に通っているのに、文章が読めない。計算ができない——インドの教育が抱えていたこの見えにくい問題に、真正面から取り組んできたNPOがあります。1995年、ムンバイのスラムの子どもたちへの就学支援から始まったプラタム(Pratham)です。掲げるミッションは「すべての子どもが学校に通い、よく学べていること」。「通う」だけでなく「学べている」まで踏み込んでいるところに、この団体の本質があります。

「学年」ではなく「学びの現在地」に合わせる

プラタムを世界的に有名にしたのが、「TaRL(Teaching at the Right Level)」という教育手法です。子どもを学年で括るのではなく、読み・計算の理解度で小さなグループに分け、それぞれの現在地に合った学習を短期集中で行う。シンプルですが、効果は劇的でした。インド各地で行われた複数のランダム化比較試験(RCT)によって、教育分野でも最大級の学習改善効果が確認され、この手法はアフリカ諸国など世界へ広がっています。

市民が調べた「全国学力調査」が、国を動かした

もう一つの発明が、ASER(アセル)と呼ばれる年次調査です。プラタムが中心となり、市民ボランティアが各家庭を訪ね、子どもたちの就学状況と基礎的な読み書き・計算の力を調べる——ほぼ全ての農村地域をカバーするこの調査は、「就学率は上がったが、学力が伴っていない」という不都合な事実を数字で示し、インドの教育政策の議論を根本から変えました。

行政の統計を待つのではなく、市民が自ら調べ、社会に突きつける。NPOによる調査活動が持つ力を、これほど示した例はありません。

学びたいのは「効果を測り、証拠で語る姿勢」

「良いことをしている」だけでは、活動は広がりません。プラタムは、自分たちの手法が本当に効いているのかを外部の研究者とともに検証し、効果が証明されたものを型にして広げてきました。日本のNPOでも、活動の前後で何がどれだけ変わったかを記録し、数字と事例で語れるようにすることは、支援者からの信頼にも、行政との連携にも直結します。規模の大小を問わず学べる姿勢です。

団体プロフィール

  • 名称:プラタム(Pratham Education Foundation)
  • 本部:インド・ムンバイ/ニューデリー
  • 設立:1995年
  • 分野:子どもの教育(基礎学力・就学支援・職業訓練)・教育調査(ASER)
  • 公式サイト:https://www.pratham.org/

出典:Pratham公式サイト(Our story)同(Teaching at the Right Level)Wikipedia: Pratham(2026年7月閲覧)。本記事は公開情報をもとに当法人が独自に執筆したものです。