NPOメディア|世界のがんばるNPOを訪ねて #03
一本の木から、ノーベル平和賞へ。
グリーンベルト運動(ケニア)
「環境活動でノーベル平和賞を受賞した、アフリカ初の女性」——ワンガリ・マータイさんの名前は、「もったいない」という日本語を世界に広めた人としてもよく知られています。彼女が1977年にケニアで始めたのが、草の根の植林運動「グリーンベルト運動」です。
始まりは「木を植えませんか」という呼びかけ
1970年代のケニアでは、森林の減少によって薪が採れず、水が涸れ、土地が痩せ、農村の女性たちの暮らしが追い詰められていました。マータイさんが提案したのは、驚くほどシンプルな行動でした。「木を植えましょう」。ケニア全国女性評議会のもとで始まったこの運動は、苗木を育てて植えた女性に少額の収入を渡す仕組みとともに、村から村へと広がっていきます。
以来、植えられた木は5,100万本以上。3万人を超える女性たちが、林業や食品加工、養蜂などの技術を身につけ、自らの収入を得るようになりました。
木を植えることは、民主主義の種を蒔くこと
グリーンベルト運動が世界に評価されたのは、植林の数だけではありません。木を植えるという誰にでもできる行動を入り口に、女性たちが学び、発言し、地域の意思決定に参加していく——環境保全と、女性のエンパワメントと、民主的な社会づくりを一本の線でつないだことにあります。2004年、マータイさんはその功績によってノーベル平和賞を受賞しました。授賞理由は「持続可能な開発と民主主義、平和への貢献」です。
学びたいのは「参加のハードルを極限まで下げる設計」
「木を一本植える」——この入り口の低さが、のべ数万人を動かしました。高い専門性や大きな寄付を求めるのではなく、誰もが今日からできる小さな行動を用意し、その先に学びと成長の階段を敷く。日本で市民活動を立ち上げるときにも、「最初の一歩を、どれだけ小さくできるか」は、仲間づくりの成否を分ける大切な設計です。
団体プロフィール
- 名称:グリーンベルト運動(The Green Belt Movement)
- 本部:ケニア・ナイロビ
- 設立:1977年(創設者:ワンガリ・マータイ/2004年ノーベル平和賞)
- 分野:植林・環境保全・女性のエンパワメント・気候変動対応
- 公式サイト:https://www.greenbeltmovement.org/
出典:The Green Belt Movement公式サイト(Who We Are)/同(Wangari Maathai)/Wikipedia: Green Belt Movement(2026年3月閲覧)。本記事は公開情報をもとに当法人が独自に執筆したものです。本数・人数等の数値は閲覧時点の各公表資料によります。